2012-01-29 Sun
先日のフリーマーケットに参加した「マサキ氏」...。朝晩問わず、毎日のように『かんむら』に電話がかかってくる。
内容は、自分の生い立ち、地域や色々な人たちにないがしろにされてきたことなど...。
そして『かんむら』に通うにはどうしたらいいかと...

本人は重い精神疾患を患い、44年の人生の半分以上を精神病院ですごしていた。
毎回おなじ話をするために、30分近く電話で話し続ける。
現在は生活保護を受けながら、在宅生活をしている。
携帯電話で電話してくるので、料金が心配だ...

きっと相当な金額になっているだろう。
そう伝えても、本人はまったくお構いなしだ。
とにかく人のことが信じられないみたい。
『かんむら』には通いたいが、『かんむら』や僕のことも心から信じていいか悩んでいると言う。
なんでも、フリーマーケットで1000円しか売れなかったのは『かんむら』で物がよく売れそうな場所を教えてくれなかったからだ! だから信じられない...と。
「相手の立場でものを考えず、自分の言いたいことばかり言って売ろうとしたからだ

「あぁ、やっぱりそうでしたか...

自分の性格や特性も解っているようだが...。
けど、そうとう世の中に対して不信感を抱いている様子。
長い人生で、本当にいろいろあったのだろう。
「 『かんむら』に通えるように市役所の人に掛けあってほしい 」ということだったので、早速翌日に車で30分掛けて彼の担当市役所窓口まで行って来た。
人が困っている時、すぐに対応できればしっかりとした人間関係が構築できる。
そのあとのコミュニケーションも円滑になる。
窓口で、今の彼の心境を話した上で地域から孤立している現状を伝えた。
その上で、自分の居場所として『かんむら』に通いたいと言っていると伝えた。
話を聞いていた生活保護担当サン、想像していた通りのお答だった

「彼は以前通っていたデイサービスでも順応性がなくやめてしまった きっと『かんむら』続かないだろう」との話を前提に、問題障がい者だから...といった感じ。
「とにかく一度、彼の話を聞いてやって欲しい」と伝えた。
けど、こちらの話や想いは一方通行。
担当さんは終始表情一つ変えることなく、「まぁ、そのうちにねぇ こっちも忙しいんだよね」と言っているように感じた。
この関係窓口の対応はだいたいどこもこんな感じであることが多い。
「せめていつ頃に話を聞きに行くと明確に伝えてやってほしい」と伝えた。
生活保護を受けていようがいまいが、そこの市民、「人」であることに変わりはないはずなのに...。
彼は人の「心」、「本気」という部分に接したいと感じているのだ。
おざなりな対応ではなく、誠意をもって事にあたって欲しかった。
ひと昔と比べれば、生活保護者に対する市のワーカーさんの対応は随分とよくなってきた。
けど、本質的な「心」という部分は...

まぁ、たしかにワーカーさん達のご苦労も解るのだけれども...。
ある市では1人で100人近くのケースを受け持つこともあるという。
生活保護を受けている方は精神疾患や知的障害があるのではと思われる方も多い。
ワーカーさん達が正論を言ってもちっとも「心」に伝わらないこともある。
最初は熱い想いで業務に就いていても、「まっとうな話が伝わらない...しかも、割に合わない仕事量...」いろんな葛藤の中、こなすだけの仕事に変わって行くワーカーさんも多いそうだ。
これらは、親しいワーカーさんや現職である友人から聞いた「苦しい胸の内」である。
マサキ氏の担当ワーカーさんも、職を離れれば笑顔も見られる気の良い方なのだろう。
僕も長いこと生活保護を受けている方たちと接しているので、気持ちは解らないでもない。
けど、先のことは誰にも判らない...。
僕だって将来、生活保護を受けることになるかもしれない。
このブログを読んでいるあなたも...。
「絶対にありえない」と言える自信がありますか?
東日本大震災があった。
東海地震は30年以内に88%(先日1ポイント上がった)の確率で起きる。
震災後数年は特別措置法で仕事や収入、貯蓄がなくっても何とかなるだろう。
しかし打ち切られた後は...

理屈ではなく、まずは人間関係を築いてほしい。
そして地域の中に「お互いさま」の関係が育つよう目を向けてほしい。
欲を言えば、誰も排除することなく集うことができる「居場所」があればなぁ~...。