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岡  秀 行

Author:岡  秀 行
本当は「寺小屋」のようなことをしたかったんだけどなぁ...どういう訳か今は山梨県甲府市で『かんむら』という名のみんなの居場所を制度を活用しながら、時には活用しなかったりしながら運営しています。この先はたぶん制度から離れていく方向になるのかなぁ...。いずれにしてもココは誰も排除することなく、にぎやかでごちゃまぜになることを楽しんでいる場所です。

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お別れ...
この仕事を通し、たくさんの別れがあった。

けど、正直これほどつらい別れはなかった。

ご家族や『かんむら』の仲間と、この想いが共有できることが幸いだ。


昨日、北井のジイチャンは荼毘にふされた。

告別式の焼香に、『かんむら』の利用者サン達も参列してくれた。

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焼香後、在りし日のジイチャンの写真が会場のスクリーンに映し出された。

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戦前からNHKで働き、電気・電波技師として活躍し放送を出していた。

職人気質で酒も煙草もやらず、自宅では寡黙だった。

けれどもそんなジイちゃんを、北井バァチャンや子供の卓チャン・お久美チャンは大好きだった。

酒を覚えたのは、50才を過ぎてからだった。

大学から帰省中だった卓チャンが酒を勧めたらしい。

それから日本酒をたしなむようになった。

そして90才を過ぎてからは僕が『かんむら』でビールを...。

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祭壇には大好きだった日本酒「七賢」が供えられた


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 『かんむら』の末木さんも...

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バアチャン、卓チャン、お久美チャンが花を手向ける
  
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火葬場での待ち時間、卓チャンの「ジイちゃん昔話」で花が咲く。

職場では常識人でありながらも、やっぱりかなりの「豪の者」だったらしい。

しばしの想い出話に心が和んだ。

不思議なもので「故人」の話ではなく、いつものジイチャンの笑い話のようだった。

しかしそれもつかの間、やはり現実はつらいものだ...。

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すっかり小さくなってしまったジイチャン...けど、大好きなお久美チャンの胸に抱かれて幸せなことだろう。


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喪主を立派に果たした卓チャン...初七日で参列者にお礼を述べる。

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    僕も想い出話を...

『かんむら』からは島田さんと僕が参列した。

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とても心あたたまる七日の席だった。

ジイチャンの戒名...

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「放建院三如日貞信士」という立派なお名前。

長く放送に携わり、如月(2月)に逝った貞節な方...という意。

ジイチャンらしい良い名前を戴いた。


昨夜、『かんむら』スタッフみんなでジイチャンの話をした。

楽しい時間をみんなに与えてくれたジイチャンに、感謝の気持ちでいっぱいだ。



北井 三夫 さま

精一杯生きたジイチャン。

死にそうになっても驚異的な生命力で毎回復活してきたものでした。

予想を超える事態に、毎回みんなで困惑しながらも必死でした。

そんなジイチャンに励まされ、僕らもみんなであなたに寄り添うことができました。


この2年間は「人」や「命」の強さをイヤというほど見せてくれましたね。

毎回その「命」にふれさせてもらう事で、僕たちは成長させてもらえました。

今回だってきっと大丈夫だろうと...。

亡くなる3日前はずっとニコニコとしてご機嫌でしたね。

いやな予感はしていたのだけれども、「遺影なるかも」と僕はシャッターを切りました。

まさか、本当にそうなるなんて...。

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「北井家」に関わること...自然と「うわべだけの介護」という訳にはいきませんでした。

制度は「人」を「紙」に見立て、その人に足りないものを見つけます。

ですが「北井家」にみんなでどっぷり浸かったことで随分と大切なことが見えました。

「人」を知ること...。

あなたに寄り添い、ご家族、支援者からあなたの人となりを知り、あなたの歴史を学ぶことで、初めて「何が必要か」を知ることができました。

どんな状況になっても中心にあなたがいることで、僕たちは一つでいられました。

気が付いたら利用者さんの域を超え、戦友のような存在になっていました。

保険制度では「関わりすぎないこと」と教えられてきました。

確かにそうなのかもしれません。

けど、今の僕らには微塵の後悔もありません。

「人」としてあたり前のことができたことに満足しています。

結果、あなたから本当にかけがえのない大切なことをたくさん教えてもらえました。


寝たい時には寝、食べたい時には食べる。

嬉しい時には笑い、怒りたい時には怒る。

誰にこびることもなく、常に「あるがまま」...。

生きてるだけのように見えたっていいじゃないか...。

生きるだけ生きたらあとは死ぬだけ...。


「人とはかくあらん...」そう教えてくれたジイチャン...。

あなたが遺してくれたもの...あなた自身が『かんむら』の財産です。

長い間、本当におつかれさまでした。

そして、ホントに楽しかったです。

本当にホントに、ありがとう...。





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