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岡  秀 行

Author:岡  秀 行
本当は「寺小屋」のようなことをしたかったんだけどなぁ...どういう訳か今は山梨県甲府市で『かんむら』という名のみんなの居場所を制度を活用しながら、時には活用しなかったりしながら運営しています。この先はたぶん制度から離れていく方向になるのかなぁ...。いずれにしてもココは誰も排除することなく、にぎやかでごちゃまぜになることを楽しんでいる場所です。

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Hospital or Prison...!?
この間から、簡単な申請書で外出ができるようになった。

主治医の許可が必要ないので、ラクチンだ

1時間くらいの、短時間な外出だけど...。

なのに、その申請書を書くのすら面倒に思えることが多い。

それでも調子がいい時は、お願いして外に出してもらうことがある。


病院から歩いて20分くらいの所に本屋さんがある。

帰りの時間を考えると、店内で過ごすことができる時間はあまりない。

けど、短いなりに楽しんで過ごす方法はあるものだ。

「さくらももこ」は読み切ってしまったので、フロアをめぐる。

僕は、表紙のレイアウトや表題を見て筆者の思考を探るのが好きだ。

しかし、今日は橋の上で川を眺めていたら瞬く間に時間が...

店内に着き、目に飛び込んで来た一冊の本を手に取った。

そして、何にも考えずに買ってしまった...。

本2

みなさんご存じの「ホリエモン」こと、堀江貴文氏が書いた、獄中日記。

生き方やデキはまるっきり違うが、彼は僕と同世代の人間。

なんとなく、気になったのかも...。

時間ギリギリで病院に帰り、病棟のドアの所で持ち物検査。

本を見て、看護師サンが腹を抱えて大笑い...

2ヶ月になるが、ココの人達が笑うのを初めて見た。

こんな本を見てどんなことを思ったのかは、想像に難くないが...


本を開くと冒頭にはこんなことが書かれている。

本3

チョット見えづらいと思うが、「今の境遇よりも恵まれない人々を見て安心するという、ちょっと趣味のよくない感情も入り交って(この本を)手にとって読んでみるのだと思う」と書いてある。

以前の自分であれば、「そこまで悪趣味じゃない」と言ってたかもしれない。

が、いまはどうだっていいことだと思う。

むしろ、彼は獄中にいるのにもかかわらず、シャバでの収入ができるわけだ。

有難いと思ってほしいくらいであるが、まぁ そんなことはどうでもよい。


まだ3分の1くらいしか読んでいないが、気づいたことがある。

それは、彼と僕の「居場所」の共通点と相違点である。

ココも不便だが、塀の中も大変不便らしい。

どこも鍵付きだし、入浴は週2回、食事時間は短くてどんどん持ってかれちゃう。

刑務所には目を光らせている看守サンがいて、ココには看護師サンたちがいる...。

その他、多くの共通点がある。


さて、相違点...。

日本は、世界でも稀に見られる法治国家である。

「法」とは「人」を守るべきものである。

刑務所にいるすべての人たちは、ちゃんと「法」を犯している。

彼らは刑期を務める中で、社会的道義や「法」を基調とした生活を送る。

自分自身が犯してきた「法」の重さを、「厳しさ」の中で身を持って学ぶわけだ。

来るべき出所に備えて...。

中には、出られない人や、せっかく出られても出戻ってくる人も多いらしいけど。

ただし、「人権」というものは非常にしっかりと守られていると感じる。

意外なようだが、「人」を守るべき「法」(人権)を知らしめるためには、自分自身がその「法」に守られているというのを肌で感じられるというのが一番有効だと思う。

塀の外に出ても、「法」は「人」を守ってくれている。

残念ながら、「法」は守ってくれても「社会」の目はキビシイだろうけれども...。

昔の刑務所のようなイメージはなく、いまは塀の中でも「人権」は浸透している。

堀江氏は、検察庁~拘置所~刑務所と拘束された。

この間、どの部署でも先々の事に関する詳細な説明があったそうである。

権利擁護という理念は、「法」の執行者だからこそ浸透している。

彼らがそれを、受刑者たちにも浸透させようとしている努力がうかがえる。

身を置く「居場所」に関する詳細な説明があり、それに関しては不安がなかったそうだ。


さて、僕の居場所はというと...

昨夜は眠れなかったと話すと、すぐに眠剤が知らぬ間に追加されていたりする。

監護師サンが僕の目の前で薬包を破って、錠剤ごと手渡す。

「眠剤が追加されたって聞いていませんけど」と言うと、「今日から追加」とだけ。

口に入れるまで部屋から出ようとしないから入れたふりをして捨ててしまうことも...。

眠剤は、主治医からは飲んでも飲まなくてもいいと言われている。

また何の前触れもなく、「採血だから...レンドゲンだから...〇〇があるからすぐに来るように」と部屋のコールが乱暴に鳴る。

事前にそれらの検査があること、また結果も知らされることはない。

非常に不愉快極まりないので、「聞いていませんでしたが!」と看護師に伝える。

すると、「今日は〇〇の検査だから!」と、逆切れっぽく言われてしまう。

ココの住人たちは、理解ができなかったり、誰も文句を言う者もいない...。

こういう対応は、そんな所から来るのであろう...

ちなみに、採血の結果は知らないが今週から僕の食膳にこんな札が...

A.jpg

「高脂 2常」とある。

「キザミ」とかって書かれてないだけまだいいけど...。

いわゆる「高脂血症」というやつになり、予防食を食わされてるということか...

先週までは、「常食」とあっただけだったなのに。

いったいどういうことだろう...

この2ヶ月、病院で毎日それはそれは豪華な食事ばかり食べてたからなのかな

さっぱりわからない...


いずれにしても、ココでは何の前触れもなくこのようなことが普通に起こります。

さてみなさん...

刑務所と僕のいる病院...人権が適切に擁護されているのはどちらだと思いますか...
































未分類 | 23:56:33 | トラックバック(0) | コメント(0)