2012-08-20 Mon
僕は物心つかないうちから剣道を習っていた。もう長いことしてはないけれども...
自分がしたかったのではなく、父が指導者だったから宿命のような...
やりたくもないことをさせられ、朝から晩まで殴られ怒られ...
なんでこんな家に生まれてしまったのかと、仕方ないことばかり考えていた。
情けないことに、ずいぶん大きくなってからも両親を恨んでいた。
剣道をしている家に生まれたのだから仕方ないと...
子どもたちにはそんな思いをさせたくなかった。
両親から、「そろそろ子どもたちに剣道を」と言われても断っていた。
いくつか選択肢を提示し、その中で好きな事をすればいいと思っていた。
なのに...僕が入院中、シローとトシが剣道を習い始めていた。
しかもどういうわけか、楽しく稽古に通っているみたい。
子どもたちと剣道の話をすることはないけど...
昔の剣道の稽古というのは、それは恐ろしいものだった。
しかしこのご時世、いくら指導とはいえ子供を殴ろうものなら大変なことになってしまう。
子どもたちをホメて伸ばし、剣道の楽しさを教えているそうな...
時代は変わり、父の指導法もさま変わりしているようだ。
昨日はその剣友会の40周年の大会。
思えば、僕が生まれる時に発足した会だったんだなぁ~...
稽古着、袴を自分たちで着ようとするんだけど...

なんとも微笑ましいけれど、見てられない...


ちゃんとご飯をたべないから腰回りが細いこと...

トシと違い、シローは意外とがっしりしてる。
本当はラグビーがいいなぁ~...

そんなことを想いながら、複雑な気持ちで進めてゆく。
「とぉーとも剣道やってたんでしょ」と聞かれてもなぜか無言になってしまう...

無邪気に喜ぶ彼らを見ると何も言えない...
「これも選択肢の一つなんだよなぁ~」と...
決して自分と同じような育ち方になるわけじゃないのは解ってる。
ただ、できれば剣道だけはと思っていただけ。
そう考える自分自身も、彼らに対して「剣道だけはダメ」だと押し付けてはいなかったであろうか...

まぁ、好きなら続ければいい...
気をつけて行っておいで...とだけ言って送り出した。