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岡  秀 行

Author:岡  秀 行
本当は「寺小屋」のようなことをしたかったんだけどなぁ...どういう訳か今は山梨県甲府市で『かんむら』という名のみんなの居場所を制度を活用しながら、時には活用しなかったりしながら運営しています。この先はたぶん制度から離れていく方向になるのかなぁ...。いずれにしてもココは誰も排除することなく、にぎやかでごちゃまぜになることを楽しんでいる場所です。

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友きたる...
久しぶりに懐かしい友が遊びに来てくれた✨



かんむらを立ち上げるために東奔西走していた当時、山梨県内では「富山型デイサービス」というものはまったくといっていいほど知られておらず正に「お先真っ暗」の状態であった。



そんな15年前のある日、山梨県庁から二人の職員さんが「このゆびとーまれ」の視察に来てくれた。



たまたまそこに居合わせたボクが施設案内を承った事でのちに事態が劇的に変わるのだが、今日かんむらに来てくれたのがその二人のうちのひとりのKサンだった。



気さくで優しく尊敬に値する人物であるのは直ぐに分かり、その後長い付き合いになる。



まだヨチヨチ歩きのかんむらを担当課の課長さんと共に随分と心配していただいた。



ボクがうつで入院した時もあたたかい言葉をかけてくれ



課を移動してからも自宅が近い事もあって散歩の際にはよくかんむらに顔を見せてくれた。



そんな彼に異変が起きたのは6〜7年前のこと...



何かをお願いすれば直ぐに動いてくれるのになかなか事が進まないのでその時は「変だなぁ」と思っていた。



記憶力にも優れた方だったが、その後も一緒に遊びに行った場所を後々尋ねられたりしたので「❓」ということもあり...



そんなある日、本人から「認知症の診断が出て薬を飲み始めた」と聞かされた時には驚きはしても「きっと大丈夫だろう」と自分に言い聞かせていた。



いま思うときっとボクらに心配させないようあっけらかんと、まるで他人事のようにサラッと伝えたのだと思う。



然しあれだけ聡明な方なので、若年性認知症の進行が早い事は充分に理解していただろうしまだ幼いお子さん達の事、家族のこれからを考えたら言い知れぬ恐怖と戦っていたことだろう。



以来、会う度に現実を知る事になるのだが、ご家族の想いはいかばかりだったであろうか...



そして今日、その彼が遊びに来てくれた。



今度は利用者さんとして...



今日の甲府は気温34度☀️



暑さから逃れるように二人で山奥へ出掛けた。



道中、



「山の緑がキレイですね」



「何処に行くんですか?」



「ドライブに連れて行っていただいてありがとうございます。ガソリン代をお支払いしなくて大丈夫ですか?」



抑揚無く繰り返される言葉ではあるが端々にこれまでと変わらない彼の優しさが垣間見える。



おなじ返答をするのは苦ではなかった。



そんなやりとりをするだけで充分だった。



なのに...



「おかサンとドライブができてうれしいです」



もうやめてほしい



前が見えなくなる...



でも





名前を覚えていてくれてありがとう...

未分類 | 23:56:14 | トラックバック(0)
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